発音の綺麗さは二の次
前々から私は、「英語を話す時に一番重要なことは、話し手の意思を明確に聞き手に伝えること」であると考えています。明確に相手に伝えるためには、話し手が自分の言おうとしていることをはっきり把握している必要があります。
最近、英語に関する様々な教材が売られていますが、「これであなたもネイティブ並の発音が出来るようになる」、「毎日3分でペラペラに」などといったフレーズが未だに横行しているのが現状だと思います。そういうものが未だ横行しているのは、その神話信じて、それらに手を出してしまう人が後を立たないからです。
現実は、そう簡単に英語を習得することはできません。これははっきり申し上げられます。ご自身が苦労して習得されたようなもの、例えばピアノ、営業の話術、溶接工の技術などを思い返して頂ければすぐ理解できるかと思います。
それらは例外なく、地道な反復練習などを通じて習得されたはずです。それが英語、英会話となると、何か催眠術にかかったかのように、あたかも簡単に取得できそうであると思ってしまうのです。
昨日、私は久しぶりに体が震えるほどの人物を発見しました。それは私が大好きなTV番組である「プロフェッショナル 仕事の流儀」で取り上げられていた人です。石油化学プラント建設のプロである高橋直夫という人です。
番組では、現在7千人もの従業員を束ねるリーダーとして奔走する彼の日常を紹介していました。非常に印象的だったのは、どんな厳しい状態に置かれても彼が常に笑って仕事をしていることでした。どんなにつらい状況でも、その状況やそこにいる自分を笑えるというのは、何よりも強いと私は思います。
番組司会の茂木さんも、「人間は焦っていたり、いらいらしたりしていると、1つのことしか見えなくなる。笑っていられる人間は、周りをよく見ることができる」と言っていました。ユダヤ人の人たちも、ジョークが上手い人は頭が切れる人だと言っています。アルバート・アインシュタインもジョーク長けていたそうです。
感動したのは、高橋さんが、顧客から下請け会社までプラント建設に関わるすべての会社の何十人もの幹部の前でプレゼンテーションをする場面でした。そこではプラント建設の出資者に、完成期日までに工事が必ず終了するということを根拠立てて説明しなくてはならなかったのです。
プレゼンが終わった後、出資者が高橋さんに対して最後に、「I want to see your determination to complete this project on time.」と言いました。それに対し、高橋さんは彼が立っている場所の後ろに、プロジェクターを使い、完成期日を大きく映し出したのです。そして彼は「この期日を背にみなさんで写真を撮りましょう。そしてこの写真をそこら中に貼りますから。」と笑いながら言い、全員から拍手喝采を受けたのです。
そう言った彼の英語は決して綺麗なものではありません。しかし、彼の考えやユーモアはそこにいた全員の心を動かしました。何千億円ものお金が投じられているプロジェクトというピリピリした雰囲気の中でです。私も彼みたいに、揺るぎない自身を身につけたいと思いました。
確かに発音や表現にこだわることも大切かもしれません。しかし、人と会話をする時、または相手に何かを伝えなくてはならない時というのは、自分が何を伝えたいのか、そしてそれをいかに相手に分かってもらうのか、ということに重点を置く必要があります。
それは一朝一夕で成せることではありません。地道な努力が必要です。私もまだ自分の納得できるところには到達できていません( I'm still on the road.)。精進あるのみです。
この番組に興味のある方、再放送が、2008年 2月 4日(月)翌日午前1:05~翌日午前1:50(45分)となってますので、是非ご覧ください。私も録画する予定です。
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